AKIKO KOGA

古賀 亜希子

作家略歴

ミラン・トゥーツォヴィッチ/Milan Tucović

1965年ポジェガ市生まれ。ベオグラード大学応用美術学部彫刻家卒業。セルビアを代表する現代画家。ローマ教皇から肖像画を依頼されるほどの実力であった。日本でもSteps Galleryを中心に、銀座奥野ビル306プロジェクト、早稲田大学WASEDA GALLERYなどで作品を発表。3度来日をするが、2019年に急逝。2020年鳥取県立博物館「ミュージアムとの創造的対話03」にて、個人コレクターが収集したコレクションの一部として作品が紹介され、高い評価を得る。西洋絵画の古典技法を使った高い技術力、唯一無二の立体作品、魅力ある人柄で、セルビアでも日本でも多くの人に愛された。


ヴラディスラヴ・シュチェパノヴィッチ/Vladislav Šćepanović 

1971年モンテネグロのニクシッチに生まれる。ツェティニェ大学美術学部を卒業後、ベオグラード大学応用美術学部にて修士課程修了。2009年同学部にて博士課程修了。

第57回ヴェネチア・ビエンナーレ(2017)にてセルビア共和国代表として作品を出品。その時のご縁で、四谷にあるギャラリーts4312にて作品を発表。第58回ヴェネチア・ビエンナーレ(2019)では、セルビア共和国のコミッショナーを務める。2020年ベオグラード現代美術館理事長に就任する。

シュチェパノヴィッチは、作品を通して、シュミレーションの世界とマスメディアにおける支配と抵抗の永続的な力について論じている。資本の力、支配的な経済、政治的構造を公然と誇示をするメディアへの研究が制作の基盤にある。


サーシャ・マリャノヴィッチ/Saša Marjanović

1976年マイダンペク市生まれ。2006年ベオグラード大学美術学部修士課程修了。素描、絵画、映像、オブジェなどその表現は多岐に渡るが、一貫して社会や家庭における人間関係を洞察するドキュメンタリータッチの作品である。マリャノヴィッチは作品の中で、影を描いているが、そこには必ず光が生まれ、観るものの心に希望を届けてくれる。セルビアで、気鋭の画家として注目されている。


ミチャ・スタイチッチ/Mića Stajčić  

1977年ベオグラード生まれ。ベオグラード大学組織科学部情報システム専攻、美術学部彫刻専攻卒業。美術学部にて博士課程を修了。気鋭のキュレーター、クセニヤ・マリンコヴィッチとともにベオグラードで現代美術ギャラリー X Vitaminを設立、運営している。

彫刻をベースに、ポップカルチャーの要素を加えながら、インスタレーション、ビデオ作品、パフォーマンス、写真などさまざまな手法で自分自身を表現している。テーマは、社会的価値観、タブー、消費社会、宗教、お金。スタイチッチは時に大胆な表現で、センセーションを巻き起こしてきた。


ドラガン・バーボヴィッチ/Dragan Babović

1954年ニーシュ市生まれ。弁護士をしながら、40年以上写真家として活動している。2017年よりSteps Gallery(東京都銀座)で作品を発表している。絵画的で詩的なバーボヴィッチの写真作品は、日本でもすぐに多くの人の心を掴んだ。


ヨヴァナ・トゥーツォヴィッチ/Jovana Tucović

ベオグラード生まれ。ベオグラード芸術大学美術学科を卒業後、美術学部彫刻学科にて修士課程を修了。2015年ミラノにあるブレラ芸術アカデミーで彫刻を専門的に学ぶ。現在はベオグラードを拠点に活動する。精力的に作品を発表し、展覧会企画にも携わるなど、その活躍は目覚ましい。ブロンズや鉄を使って人体を表現しているが、彫刻の伝統的なモチーフと素材の中に、強さと繊細さを共存させている。ベオグラードのツェプテル美術館に作品が所蔵されている。


ヴァーニャ・パシッチ/Vanja Pašić

1994年ウジツェ市生まれ。2019年クラグイェヴァツ大学言語学・芸術学部卒業。2020年ベオグラード現代美術大学絵画科修士課程修了。大学時代にミラン・トゥーツォヴィッチと出会い、トゥーツォヴィッチの最期にインスピレーションを与え、多くの作品のモデルを務めた。パシッチは、絵画やデジタルアートなど、様々な表現を駆使する。近年では、祖母から受け継いだ刺繍の技術を使って、ユニークな刺繍や織物作品を展開している。これからの活躍が楽しみなセルビア期待のアーティストである。


古賀 亜希子/KOGA Akiko

福岡市生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒業後、東京綜合写真専門学校にて写真を学ぶ。

幼少期の記憶や知人の部屋、小説の舞台となった建物や土地など、内的動機に基づき、儚さと気配に満ちた物語性の強い作品をシリーズとして制作、発表している。

2009年ベオグラードで個展を開催したことをきっかけにセルビア共和国と出逢う。以降、セルビアと日本の文化交流展覧会を多数企画し、セルビア人アーティストを積極的に日本に紹介している。近年、セルビアを通して出会った人や物を、その背景を聴きながら写真作品、映像作品を制作し、言葉とともに物語として展開している。


松澤 宥/MATSUZAWA yutaka

1922年2月2日午前2時、長野県下諏訪町に生まれる。1946年早稲田大学理工学部建築学科卒業、49年より33年間数学教師として定時制高校に勤務する。1955年ウィスコンシン州立大学にフルブライト交換留学生として渡米し、美の客観的科学的測定法をテーマに研究、1956年にはコロンビア大学大学院にて現代美術および宗教哲学を研究する。1957年日本に帰国、翌1958年に《プサイの世界》と題するペインティングを発表、以後「Ψ(プサイ)」は消滅のひとつ手前を象徴する記号として松澤の作品に時折現れるようになる。1964年6月1日、「オブジェを消せ」という啓示を受け、美術を文章だけで表現する観念芸術を創始したことから、コンセプチュアル・アートの先駆者として位置付けられる。以後世界各地で言葉と朗読を含むパフォーマンスを実施。方眼用紙に手書きした原稿や幟、密教曼荼羅の構造をとった9つの正方形がその作品にはしばしば現れる。1970年現代思潮社・美学校「美術演習」講師となる。1988年、「量子芸術宣言」を刊行。生涯にわたり宇宙の真理を探究し、アートとして提示し続けた。


原口 典之/HARAGUCHI Noriyuki

1946年神奈川県に生まれる。日本大学芸術学部美術科油画専攻在籍中の1966年より作家活動を開始。1974年には「日本−伝統と現代」展(クンストハレ・デュッセルドルフ)に出品、その後約1年間にわたってヨーロッパ各地及びアメリカに滞在する。1977年ドクメンタ6にて《オイル・プール》を発表、代表作として知られる。以後、シドニー・ビエンナーレ(1976年)、パリ青年ビエンナーレ(1977年)、光州ビエンナーレ(1997、2000)など海外の国際芸術祭等に出品多数。鉄鋼やポリエステルといった工業製品を主に作品の素材とし、物質の存在に向き合う身体のリアリティから出発して場や空間の生成/変容を図ることを特徴としている。

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