夢のある部屋
【文/古賀 亜希子】 大事な友人が亡くなった。友人は、出会った頃は、東京綜合写真専門学校の校長をしていた。当時、偶然同じ街に住んで、故郷も同じであることから、最初から友達のように接してくれていた。近所でのお茶によく誘ってくれた。 その後友人は、熱海へ引っ越して行った。2016年の誕生日に、フランス・パリで倒れて、静養生活に入った。それからは、時々熱海の友人の部屋を訪れるようになった。 熱海では、お茶をのみ、話をした。もっぱら、写真のことばかり。今度こういう作品を作るんだとか、どんな展覧会に行ったとか、私が日々の活動を報告した。自由に歩けなくなった友人は、いつも楽しそうに聞いてくれた。繊細で気難…